ササナギックス

笹凪と申します。イラスト、画材の話やらレビューが多め。あと雑記。

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ夕陽のカスカベボーイズ 感想

今ですね、クレヨンしんちゃんの映画を観るのにハマっています。

 

今回見たのは「嵐を呼ぶ!夕陽のカスカベボーイズ

 

2004年公開。

自分は中学生くらいで、もうクレヨンしんちゃんを見る年ごろではなかった。

 

大人になってこれを見た第一印象としては、なんか不安になる

なんだろう。クレヨンしんちゃんってこんなだったかな?ってくらい、全体的に暗いというか、ギャグが少な目なのだろうか?

日常を少しずつ忘れていってしまうという不気味さが心に残った。

 

簡単にいうと映画の中に閉じ込められてしまうストーリー。

以下、ネタバレあり。

 

 

リアル鬼ごっこをして遊んでいたしんちゃん、風間くん、ねねちゃん、まさおくん、ボーちゃん。

そこでカスカベ座という無人の映画館に辿り着き、荒野が映った映画を観るのですが、しんちゃんだけトイレに行っている間に、風間くんたちは姿を消してしまいます。

置いて帰られたと思ったしんちゃんは家に帰るのですが、風間くんのママから「みんなが帰っていない」と連絡が来ます。

しんちゃんから話を聞いたひろしとみさえはカスカベ座へ向かうのでした。

シロはお留守番。帰ってきたら、エサをあげるからねと。これが意外とフラグでした。

 

カスカベ座へ向かうと、案の定映画の中に野原一家も紛れ込んでしまいます。

この世界は西部劇がテーマになっていて、元々が映画のキャストか、春日部住人かが永遠に進まないストーリーを繰り返しているのでした。

しかも、ここにいると少しずつ現実の記憶を忘れてしまいます…。

そこにはやはり風間くんたちがいるのですが、どうもみんなキャラが変わってしまっていて、この世界の住人になってしまっているようでした。唯一、ボーちゃんはしんちゃんのことを友達だと覚えていました。(実は風間くんは忘れたふりをしていたんだけど)。

みんなを説得するしんちゃん。でもみんなはここの暮らしが気に入っており、帰りたがりません。

帰る術を探し、記憶を忘れないようにしていた野原一家も次第に記憶が薄れてそこの生活に馴染んでしまうのでした。シロにエサをあげなきゃいけなかったのに…。

やがてしんちゃんも謎の美少女つばきちゃんに恋をして、この世界でつばきちゃんを食っていかすといい始めます。

 

 

キャラデザが渋いので、オトナ帝国を彷彿とします。

あと閉じ込め系と記憶喪失系なのが視聴者の不安を煽る煽る。

西部劇ということもあって、ガンマンの打ち合いが結構本気でバトルしています。

 

なんやかんやあって、繰り返される日常に疑問を抱く住民たちでストーリーを進めて映画を終わらせようと一致団結。すると一ミリも動かなかった太陽がついに動き始めたのでした。

 

一番のテーマはやっぱり春日部防衛隊の友情でしょうか。

常識人の風間くんがダークサイドに落ち、「いい子」でいる葛藤を吐露します。

ですが仲間に裏切られてしまい、それを救うのはしんちゃんでした。

途中、まだ本気でしんちゃんの味方になってなかった風間くんが、列車を切り離されるときに一人飛び移れなかったためにしんちゃんが手を伸ばすのですが、その手を掴むことができず、一人荒野に置き去りにされる姿は辛いものがありました。ねねちゃんたちは大人たちが率先して抱えていたから飛び移れたけど、風間くんは最後まで一人だったんだよね。考えさせられる。

しかも泣きっ面に蜂、敵にとどめを刺されそうになるところをまたしんちゃんに助けられ、今度こそ本当に春日部防衛隊としてみんなと戦う決意をするのでした。

ここはしんちゃん本当にかっこよかったなー。

 

博士の作った赤いパンツをはくことですごいパワーを発揮し、最後はあくまでも映画の話だからか、空を飛んだりなんでもありでやっつけちゃいました。まあいつもなんでもありだけど。空にはお決まりの「おわり」のマークが。

謎めいたヒロイン、つばきちゃんに恋をしたしんちゃんは「一緒に帰ったら遊ぼう」と約束します。

気付けばそこはカスカベ座。春日部市民は無事に現実に戻ってこれて喜びを分かち合いますが、そこにつばきちゃんの姿はありませんでした。

しんちゃんはそれなら映画の中がいいといいますが、風間くんたちは今度はしんちゃんを「みんながいるじゃない」と説得し、シロが最後にやってきて「そうだエサをやるんだった」とめでたしめでたしで終わりました。

 

すごいあっさりしてんなと思ったのは自分だけでしょうか。(笑)

しんちゃんって最後にやっぱりどんでん返し!がある気がしてたのでこれですんなり終わってしまって、え!?つばきちゃんは!?と思ってしまいました。

もちろんつばきちゃんの見せ場はストーリーであったのですが…あってすごい良い子だったからこそハッピーエンドになってほしかった…。

これじゃ実質のヒロインはシロじゃん…と思ってしまいました。

 

でも逆に心にもやもやが残るっていうのは、それだけ惹きつけられたってことかなと。

個人的にはしんちゃんの映画でも観る価値高い映画でした。

 

今回の活躍度

しんちゃん ★★★

かっこいいシーン多め。

ひろし ★☆☆

今回はあんまり目立つシーンなし(泣)

みさえ ★★☆結構見せ場多かった。ひろしを尻に敷いている。女は強い。

ひまわり ★☆☆

あまり見せ場なし。

シロ ★☆☆

珍しく一緒に連れていかれない。お留守番。

風間くん ★★★

風間くん好きな人は見るべし。優等生でいるのも大変だったんね。

ねねちゃん ★★☆

まさおくんを尻に敷いている。いつもどおり。

まさおくん ★★☆

ねねちゃんのために頑張ってるけど報われない。いつもどおり。

ボーちゃん ★★☆

いつもながらヒントをくれるようなキャラ。しんちゃんのことを覚えてたり、冷静。

つばきちゃん ★★☆

今回のヒロイン。映画の中では唯一の良心。結構個人的には好き。だからこそこのオチは切ない(泣)。EDは申し訳程度の幸せなラストって感じだった。